イラスト個人サイトを振り返る

イラストの個人サイトが急激に増えていったのは2002年ごろのことです。当時すでに素人でも簡単にホームページを作成できるサービスも多かったので、誰もが手軽に自分のホームページを持つことができました。(小中学生でも多くの人が自分のホームページを持っていました)
イラスト個人サイトのコンテンツは、イラスト掲載ページ・日記・掲示板・お絵かき掲示板・お絵かきチャット・リンク集などといったところで、自分の好きなようにホームページをレイアウトし、好きなキャラクターのイラストを描いて同好の人とのつながりを楽しんでいました。
また当時は「ぽけっと☆ぱーく」「みゅうはぁと」など、ポケモンの大手ファンサイトが賑わっており、そこの掲示板で気の合う人と交流し、お互いの個人サイトを訪問し合うようなコミュニケーションも盛んでした。ここでは一例として、「みゅうはぁと」のコンテンツを見てみます。
みゅうはぁと
この画像はInternet Archiveのスクショです。ジャンルや画力ごとに分類された多くのお絵かき掲示板に加え、通常の(雑談用の)掲示板やお絵かきチャットも多数設置されていました。 ちなみに「みゅうはぁと」のInternet Archiveは こちら です。当時このサイトに通っていた人にとっては懐かしいですね。
さて、お絵かき掲示板の最初期は、1999年8月に誕生した「Poo Site」(現在は「お絵かきBBS.com」)になります。またお絵かきチャットの最初期は、1996年にオープンし、1997年にレンタルサービスを開始した「タカミンお絵かきチャット」です。これらのサイトからお絵かき掲示板やお絵かきチャットをレンタルすることができたので、多くの人が自分のサイトに設置していました。(知識のある人はレンタルではなくCGIで設置していたようです)

当時、ネット上で同好のユーザーとコミュニケーションをとるためには、検索エンジンや登録型リンク集などを通じて、個人が運営しているそのジャンルのコミュニティサイトに遊びに行くのが普通でした。そして、お互いに自分のサイトのリンク集に交流相手のホームページを掲載したり、大手のファンサイトの掲示板に書き込みをする際に自分のサイトのURLを記入したり、 あるいはファンサイト専用のポータルサイトに登録するということも行われていました。

しかし2007年9月にイラストSNS「pixiv」がスタートし、その後「mixi」や「Twitter」などのSNSも普及するようになると、コミュニティがそちらに移っていきます。すると個人サイトはしだいに過疎化して衰退していくようになりました。SNSを使えば、わざわざHTMLやCSSを使ってサイトを作らずとも、アカウントを作成するだけで簡単に情報発信の場を持てるというのもその一因でしょう。また、お絵かき掲示板はブラウザでJavaがサポートされなくなると物理的に設置が不可能となり、一気に姿を消していきました。

ところが2019年になると、しぃペインターをhtml5で再現した「PaintBBS NEO」が誕生し、現在のウェブ環境でも再びお絵かき掲示板を設置できるようになりました。「Petit Note」様や「お絵かき掲示板Art.net」様が「PaintBBS NEO」を使用したお絵かき掲示板サイトの代表例です。当サイトでも、「PaintBBS NEO」が搭載された、さとぴあ様配布の Petit Noteのスクリプト を設置させていただいております。ありがとうございます。

すっかりSNSが普及した今日ですが、まだまだお絵かき掲示板や個人サイトはそれなりに残り続けています。個人サイトには、HTML・CSSをいじって自分のサイトを気分に応じてカスタマイズできるという楽しさがあります。作者の趣向が反映されているホームページにはSNSには無い魅力があり、訪問するのも楽しいはずです。今後も個人サイト文化を大切にしていきたいものです。
当サイトも日々アップデートさせながら運営を続けていますので、ぜひ応援よろしくお願いいたします。
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