妖怪とアート - 奇想の美術・デザイン研究所

日本の民間信仰において、人知を超えた怪奇現象を引き起こしたりする想像上の生き物のことを「妖怪」と呼んでいます。
この記事では、妖怪画と呼ばれる絵と、その他妖怪に関連する作品について解説します。
「妖怪画」とは、文字どおり妖怪を描いた絵画・イラストのことです。妖怪画を描いた人物としては、水木しげるや歌川国貞などがいます。
日本の漫画家や妖怪研究家として活動していた水木しげる(1922-2015)は、不気味ながらもコミカルな妖怪画を制作しました。たとえば、以下のような作品があります。
水木しげるの妖怪画

水木しげるの妖怪画

画像出典:水木しげるの妖怪 百鬼夜行展

水木しげるの妖怪画

水木しげるの妖怪画

画像出典:水木しげるの妖怪 百鬼夜行展

水木しげるの妖怪画

水木しげるの妖怪画

画像出典:水木しげるの妖怪 百鬼夜行展

また、江戸時代の浮世絵師であった歌川国貞(1786-1865)も、ろくろ首といった妖怪の絵を描いています。
歌川国貞の妖怪画

歌川国貞「尾上菊五郎 御名残狂言 ろくろ首」

画像出典:Aflo

こうした妖怪は、現実には存在しない空想の生き物です。妖怪を通して「もう1つの現実」を創り出すことによって、想像上の世界観を楽しむことができます。
【関連書籍】小松和彦『妖怪学新考:妖怪からみる日本人の心』
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妖怪をモチーフにした作品を制作している作家は、海外にもいます。イギリスのアーティストであるピート・ファウラー(1969-)は、「モンスタリズム(Monsterism)」というネーミングでさまざまなモンスターのフィギュアなどを制作しています。
ピート・ファウラーのモンスタリズム

ピート・ファウラーのモンスタリズム

画像出典:au PAY マーケット

また「妖怪」を少し拡大解釈して「空想上の生き物全般」と捉えれば、日本のイラストレーターである城谷俊也(しろたにとしや)氏の、機械の生き物を描いたイラストも関連する作例として挙げられます。
機械メンダコ

機械メンダコ

画像出典:城谷俊也イラストレーションズ

機械仕掛けのチョウチンアンコウ

機械仕掛けのチョウチンアンコウ

画像出典:城谷俊也イラストレーションズ

これらはメンダコやチョウチンアンコウといった海洋生物を機械化した空想の生き物。とてもファンタジックなイラストです。(城谷俊也氏のホームページはこちら
このほか、現在ではポケットモンスター(ポケモン)などの可愛くデフォルメされた妖怪キャラクターが大衆化しており、多くのファンに親しまれています。
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